図鑑SI JOB ATLAS

SI職種図鑑 — まず地図で、自分の座席を見つける

SI・受託開発の世界は「領域(何をつくるか)× 立場(どう関わるか)」の2軸で整理すると一気に見通せます。下の地図で現在地を押すと、その職種の年収目安・入り方・次の一歩に飛べます。

このサイトでの「PM」はプロジェクトマネージャー(PjM)を指します。プロダクトマネージャー(PdM)・プロダクトオーナー(PO)は事業会社側の別職種のため、この図鑑では扱いません。年収はPM Quest(ポテンシャライト)が実際に扱う求人の実勢と、厚労省jobtagの職業情報を独自補正した転職想定レンジです(経験・商流・地域で変動)。

10ROLES

主要10職種の図鑑

プロジェクトマネージャーのキャラクターイラスト

PROJECT MANAGERプロジェクトマネージャー(PM)

650–1,300万円 目安

予算を握り、体制を組み、揉めたときに矢面に立つ役。QCDの数字より先に、土壇場で誰が謝りに行くかを背負う立場だ。日常は顧客定例・進捗判断・要員繰りの連続で、技術より「決め切る」時間が長い。

入り方
PLとして1案件を主担当で完走した実績がまず要る。面接で効くのは「顧客と何を握ったか」の一言
市場感
5,000万円級を一人で持てるPMは、僕の面談でも常に取り合いになる。単価より先に「一人で持てるか」を聞かれる
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • 計画づくり——WBS・体制図・見積を自分の名前で顧客に出す。ここで案件の8割が決まる
  • 週次の顧客定例を仕切り、進捗・課題・変更要求(スコープの押し引き)を裁く
  • 炎上の兆候(進捗90%で止まる・キーマンの沈黙)を先に拾い、謝るより先に代替案を持って行く
  • メンバーのアサイン・評価・協力会社との契約まで、ヒト・カネの采配を持つ

面接で評価される経験

  • 赤字案件を途中から立て直した経験は、成功案件の完走より高く売れる
  • 変更要求を「無償対応」で飲まなかった交渉の実例

向いている人

言いにくいことを先に言える人。技術の深さより、不確実な状況で決められること。

次の一歩 FDPM(事業側PM)ITコンサル大型案件統括
プロジェクトリーダーのキャラクターイラスト

PROJECT LEADERプロジェクトリーダー(PL)

500–1,000万円 目安

現場でメンバーの詰まりを一番早く察知し、進捗と人の機嫌を同時に見る役。PMへの登竜門で、ここでの立ち回りが評価の土台になる。日常は朝会でのタスク割り・設計/コードレビュー・詰まりの解消。手も動かしつつ人を見る二刀流。

入り方
SEとして設計〜テストを一通り経験した後、サブリーダー→PLが王道
市場感
「PL止まり」で転職する人は多いが、PM見習いとして意思決定に噛んだ話ができると評価が一段上がる
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • チームのタスクを日次で割り、詰まったメンバーの隣に座るのが仕事の中心
  • 設計レビュー・コードレビューの品質ゲートを持つ
  • PMと現場の間で「あと何日で終わるか」を正直な数字に翻訳する

面接で評価される経験

  • 遅延を隠さず早く上げて、リカバリ計画まで添えた経験
  • 新人を1人前にした「育成の再現性」を語れること

向いている人

人の詰まりに気づける人。自分が書くより人が書けるようにする方に喜びを感じるかどうか。

次の一歩 PMインフラPM
PMOのキャラクターイラスト

PMOPMO

800–1,300万円 目安

複数プロジェクトの数字とリスクを横串で拾い上げ、現場の代わりに経営へ翻訳する参謀役。日常は各PMからの数字集め・会議体の運営・経営向け報告書づくり。

入り方
PL/PM経験者の転身が中心だが、事務局型PMOは未経験からの入口にもなる
市場感
支援型か管理型かで働き方がまるで違う。面接では「どちらのPMOだったか」を必ず聞かれる
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • 複数案件の進捗・課題・リスクを同じ物差しに揃えて経営レポートにする
  • 標準プロセス(会議体・帳票・品質基準)を設計し、現場に定着させる
  • 火を吹きそうな案件に入り、PMの隣で事実の整理を代行する

面接で評価される経験

  • 「支援型PMO」として現場に感謝された実例(管理表を作った話より強い)
  • 経営層向けに悪い報告を通した経験

向いている人

俯瞰と整理が好きな人。現場の細部より全体の歪みに先に目が行くタイプ。

次の一歩 PMITコンサル
SEのキャラクターイラスト

SYSTEMS ENGINEERSE(アプリケーション)

500–1,000万円 目安

要件定義から設計・開発・テストまで、システムづくりの主戦力。全職種の分岐点はここで始まる。日常は設計書・実装・テスト・顧客からの問い合わせ対応。担当工程で日々の顔つきが変わる。

入り方
未経験採用の門戸は広い。最初の3年でどの工程まで触れたかが後のキャリアを決める
市場感
上流に食い込めたSEと製造・テストどまりのSEとでは、面接時点でもう年収カーブが分かれている
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • 要件定義〜基本設計〜製造〜テストのどこかの工程を担当(会社と商流で担当範囲がまるで違う)
  • 顧客の業務を聞いて仕様に落とす。「業務がわかるSE」はこの段階で決まる
  • 近年は生成AIをコーディング・テストに使いこなせるかで生産性の差が開いている

面接で評価される経験

  • 担当工程の一つ上(設計なら要件定義)に食い込んだ実例
  • 障害対応で原因を特定し切った経験——運用を知るSEは強い

向いている人

まだ専門を決めたくない人にも良い出発点。3年後にどの分岐へ進むかを意識して工程を選ぶこと。

次の一歩 PLAIエンジニアITコンサル
インフラエンジニアのキャラクターイラスト

INFRA ENGINEERインフラエンジニア

500–950万円 目安

サーバー・ネットワーク・クラウドという土台を設計・構築し、止めないことだけを仕事にする。日常は構成設計・構築検証・監視対応。道具はターミナルとクラウドのコンソールで、近年はIaC化が主戦場。

入り方
運用・監視からのスタートが多い。AWS/Azureの構築経験を積んだ人ほど面接での見え方が変わる
市場感
クラウド移行の案件で売り手優位は続いている。オンプレ専任のままだと、そこで頭打ちになる
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • サーバー・ネットワーク・クラウドの構成設計と構築(実際の道具はターミナルとコンソール画面)
  • 監視・障害対応——夜間に呼ばれる仕事を、自動化でどれだけ減らせるかが腕の見せ所
  • IaC(Terraform等)でインフラをコードとして書くのが今の主流

面接で評価される経験

  • オンプレ→クラウド移行の設計に関わった経験(運用だけとの差が大きい)
  • 障害の再発防止まで仕組みにした話

向いている人

「止まらない仕組み」に美学を感じる人。地味な検証を面倒がらないことが最大の適性。

次の一歩 インフラPMクラウドアーキテクト
インフラPMのキャラクターイラスト

INFRA PMインフラPM

700–1,300万円 目安

基盤更改・クラウド移行という「止められない引っ越し」を一人で指揮する専門PM。日常は移行計画の詰め・停止時間の調整・切替リハーサルの運営。切替当日がこの仕事の本番。

入り方
インフラエンジニア→基盤チームPLからの昇格が王道。移行計画を自分の言葉で書けるかが武器
市場感
アプリPMより希少で、単価がアプリPMを上回る場面を何度も見てきた。金融・公共で厚い
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • 移行計画(切替日・切り戻し条件・停止時間)を1分単位で設計する
  • 業務を止められない顧客と「いつ・何を・どこまで止めるか」を交渉する
  • 切替当日は指揮所で判断役——戻す勇気を持てるかが問われる

面接で評価される経験

  • 切り戻しを実際に判断した経験(成功談より信頼される)
  • 停止調整で複数部門を説得した話

向いている人

最悪を先に考えられる人。派手さはないが、アプリPMより希少で単価が上がりやすい。

次の一歩 大型案件統括ITコンサル
AIエンジニアのキャラクターイラスト

AI ENGINEERAIエンジニア

600–1,200万円 目安

生成AI・機械学習を業務システムに組み込む実装者。SIの中で最も新しい持ち場。日常はデータ整備・モデルやプロンプトの検証・精度評価、そして業務部門との擦り合わせ。

入り方
SEからの転身が現実的。社内のLLM活用PoCに手を挙げるのが、今いちばん近い入口
市場感
面接で必ず聞かれるのは「触ったことがある」か「本番に載せたことがある」かの差。ここで評価が割れる
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • 生成AI・機械学習を業務システムに組み込む——モデルより接続部(データ・権限・精度保証)が仕事の大半
  • PoCで終わらせず、本番の運用(精度監視・コスト管理)まで設計する
  • 顧客に「AIで何ができて何ができないか」を正直に説明する役でもある

面接で評価される経験

  • LLMを使った機能を本番リリースした経験(PoC止まりとの差が最も見られる)
  • 精度やコストの制約をビジネス側に翻訳した話

向いている人

新しい技術に飛びつくだけでなく、地味な評価・検証を積める人。

次の一歩 AI案件PMMLアーキテクト
データエンジニアのキャラクターイラスト

DATA ENGINEERデータエンジニア

600–1,100万円 目安

データ基盤とパイプラインを作り、AI・分析すべての前提を支える。地味だが土台そのもの。日常はパイプライン構築・データ品質チェック・基盤の運用改善。SQLが母国語になる。

入り方
DB設計経験のあるSE・インフラエンジニアからの転身が近い。SQLとクラウドDWHが共通言語になる
市場感
AIエンジニアより競争が緩く、年収は近い。僕がよく「狙い目」と伝える職種の一つだ
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • 散らばったデータを集めて整えるパイプライン(ETL)を設計・構築する
  • SQL・クラウドDWH(BigQuery/Snowflake等)が日常の道具
  • AI・BIの成果はこの土台の質で決まる——川上の仕事

面接で評価される経験

  • 「汚いデータを使える形にした」実例(件数・工数で語れると強い)
  • パイプラインの運用コストを下げた話

向いている人

整理整頓が好きな人。表舞台に出なくても、効いている実感を静かに楽しめるタイプ。

次の一歩 データアーキテクトAI案件PM
ITコンサルタントのキャラクターイラスト

IT CONSULTANTITコンサルタント

700–1,400万円 目安

「何をつくるか」の一つ上流、そもそも何を解決すべきかを設計する。SI経験者の年収を一段引き上げる出口。日常は資料作成・顧客インタビュー・経営層への報告会。考えて書く仕事が9割。

入り方
要件定義を主導したSE・PM経験者が中心。顧客の業務を自分の言葉で語れるかが選考の分かれ目
市場感
DX予算を背景に採用は動いているが、稼働の波と学習量は面接前に覚悟しておいたほうがいい
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • 顧客の経営課題を聞き、「そもそも何を解くべきか」を構想書に落とす
  • システム化計画・RFP作成・ベンダー選定というSIの一つ上流を主導する
  • 資料と会議が仕事の中心——書く量と考える量はSI時代の比ではない

面接で評価される経験

  • 要件定義で顧客の業務を変えた(システムに合わせて業務を直した)経験
  • 経営層に「やらない」提案を通した話

向いている人

知的体力のある人。正解のない問いを面白がれるかどうかで向き不向きが割れる。

次の一歩 マネージャー事業会社DX推進
QA・テストエンジニアのキャラクターイラスト

QA / TEST ENGINEERQA・テストエンジニア

450–850万円 目安

品質の最後の砦。テスト設計・自動化・プロセス改善で、世に出していいかを判定する。日常はテスト観点の設計・自動テストの整備・バグ分析、そしてリリース判定。

入り方
未経験の入口が広い職種。Playwright等の自動化を覚えると、評価が一段跳ねる
市場感
「手動テスト専任」から「QAエンジニア」へ、職種の中身そのものが変わっている最中だ
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • テスト計画・観点設計——「どこが壊れやすいか」を先回りで洗い出す
  • Playwright等での自動テスト整備。回帰テストを人手から解放する
  • 品質メトリクスで「出せる/出せない」をデータで言う役

面接で評価される経験

  • 自動化でテスト工数を具体的に減らした実例
  • リリース判定で「待った」をかけ、根拠で通した話

向いている人

細部の違和感を放置できない人。壊し方の想像力がそのまま武器になる。

次の一歩 QAリードPMO

この地図の登り方 — 王道は3本

アプリ王道 SE PL PM FDPM/ITコンサル
基盤王道 インフラエンジニア 基盤PL インフラPM
新領域 SE データエンジニア AIエンジニア AI案件PM

どの道も「つくる→まとめる→動かす」の順で登ります。焦って一段飛ばすと、面接で必ず聞かれる「その手前は何をしていたか」に詰まる。PMOは各道の途中からいつでも合流できる横断路です。今どの段にいて、次にどこを狙うべきかは、適性診断で確かめてみてください。

PM QUEST

地図の上の、あなたの現在地を確かめる。

15問・約4分の「SIer出身PM適性診断」で、あなたが現実的に狙える進路タイプと、次に読むべき記事が分かります。

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